無数の水滴がつくる虹
20万の小さな水滴がつくる七色の虹。視点や光を動かすと虹も動き、一粒の中の色までズームできます。
▶ 自分で動かす(視点・光・ズーム)→水滴と光がつくる、虹の原理
太陽の光は白く見えても、ほんとうは虹の色が全部まざっています。
空気中の小さな雨つぶがその光を曲げて、色に分けて、あなたの目に返す。
それが、虹です。
太陽を背にして、雨のほうを見たときにあらわれます。
太陽の光は白く見えても、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の色がまざっています。雨つぶは小さなガラス玉(プリズム)のよう。光が中で曲がるとき、色ごとに曲がり方が少しちがうので、七色に分かれて出てきます。(ほんとうは色と色のさかい目はなく、なめらかに変わっています。)
光は雨つぶの中で曲がって、来た方へ戻ってきます。だから太陽を背にして、雨のほうを見たときだけ見える。あなたの影の先(太陽の正反対)が、虹の輪の中心です。太陽が低い朝や夕方ほど大きく見え、太陽が高い真昼は出にくいです。
どの雨つぶも、太陽の正反対を中心に同じ角度で色を返します。その点を全部つなぐと、ぐるりと丸い輪。地面で下半分がかくれて、アーチに見えるのです。下のアニメで、無数の水滴が虹の輪をつくる様子を動かせます。
20万の小さな水滴がつくる七色の虹。視点や光を動かすと虹も動き、一粒の中の色までズームできます。
▶ 自分で動かす(視点・光・ズーム)→ときどき外側に、うすい虹がもう1本。これは雨つぶの中で光が2回はね返ったもの。色のならびが内側の虹と逆(外側がむらさき)になります。2本のあいだは少し暗く見えます。
行けません。近づくと虹も逃げていきます。虹は“もの”ではなく、あなたと光と雨つぶの位置でできる角度だから。だからとなりの人は、あなたとは少しちがう、その人だけの虹を見ています。
晴れた日、太陽を背にして、ホースや霧吹きで前に水をまいてみて。細かい水しぶきの中に、小さな虹が出ます。本物とまったく同じ仕組みです。
虹は「空にある物体」ではなく、光源と観測者の位置関係が空中に描く幾何学です。主虹の場合、反太陽点(自分の影の先)から 40.7〜42.4° の円錐上にある水滴だけが、裏面で1回反射した光を分光して眼に返します(副虹は2回反射で 50.4〜53.5°)。だから光が動けば色の出る位置も動き、自分が動けば虹も逃げる。水滴はそれを見せるスクリーンの粒にすぎません。
水滴に入った光は、入るときと出るときに屈折します(これは2本の虹で共通)。ちがいは、水滴の中で反射する回数です。
反射が1回増えるたびに光は少し弱まり、帯も広がります。だから副虹は主虹より淡く・約1.8倍太く見え、2本の虹の間は光が届かない暗い帯(アレキサンダーの暗帯)になります。
このページのシミュレーションは、水の屈折率と幾何学から色の出る角度を計算し、CGで再現したものです。 そして下の映像は、アーティスト Shinichi Maruyama が、空中に舞う本物の水滴を 高速度カメラで実際に撮影しています。写真シリーズ《Light Sculpture》の記録で、 同じ原理を、現実の水の一瞬として捉えたものです。